京都じゅうが濃い霧におおわれた夏の早朝、紫式部像の建つ宇治の川岸で美しい女性の他殺死体が発見された。被害者は、山科で不動産会社を営んでいたが、一週間ほど前に失踪し、家族が消息を追っていた。被害者の車からは、着替えなどのほかに書道用具一式が見つかり、書き損じと思われる習字紙には意味不明の言葉が綴られていた。また失踪直後、鞍馬の貴船神社で目撃されていた。会議で京都を訪れていた民俗学者の竹之内春彦は、貴船神社で被害者の妹と知り合ったことから、この謎の多き殺人事件に関わっていったが……。
定価:860円(税込) ISBN 4-903012-69-7