アルルノベルス
森村誠一
壁の目 新文学賞殺人事件
人気作家・浅沼徹也が選考委員を務める新人文学賞の応募作『壁の目』と題する一編は、覗きマニアの老女が、アパートの壁穴から目撃した隣室の殺人を微細に描写していた。彼は作品を読んだ瞬間、驚愕のあまり原稿を落としかけた。七年前、大学生だった彼は行きずりの情事の果て、女を殺した。事件は迷宮入りし、浅沼は今日の地位を築いたのだ。殺人現場を見られていたのか?この作品は、いったい虚構か実録か。浅沼の恐怖が始まった。そして美貌の女の絞殺体が発見された。彼女こそ、七年前事件当時、実際に被害者の隣室に住んでいた女であった…。本格推理の名手が、自らの作家の「業」を描破した問題作。
定価:860円(税込) ISBN 978-4-86296-089-4
指名手配
あの男は殺さなければならない! 胡桃沢英介は、恨みをこめて社長の国本多計彦の首を絞めた。彼こそがかつての恋人・詩子を横取りし、その後「コンピュータ結婚」をした妻子を死に追いやった、憎い敵なのだ。胡桃沢は、国本を殺害後、詩子と共謀し国東半島に逃亡した。しかし、国本殺害の報道は全くなかった。死体はどこに? 限界状況に追い込まれた男の異常心理と、男と女の愛と欲望を描く、推理サスペンスの傑作!
定価:880円(税込) ISBN 978-4-86296-070-2
新宿署の刑事牛尾正直は、公園で撲殺された浮浪者の捜査にあたった。犯人は3人組の少年たちだった。そして一人息子純一は旅に出たまま消息を絶った。1年後、ラブホテルで殺された女は、浮浪者とも純一とも顔見知りらしい…。次々と起こる殺人事件。現場に落ちていたイノシシの玩具が語るものは…。さまざまな人生が交錯する大都会の巨大駅に繰り拡げられる人間ドラマ。長編ミステリー。
定価:860円(税込) ISBN 978-4-86296-028-3
分水嶺
日本労災防止協会の医師・秋田は、診療所に送り込まれてきた原因不明の幻覚症状を呈する患者たちが日本化成の従業員であることを知った。その会社には学生時代の山仲間・大西が勤務している。秋田は患者たちが従事していた作業の実態を探るべく、大西に連絡をとるが、出張中というだけで所在は分からなかった。そして他の病院からも同様の症状を持つ患者のカルテが三通回ってきたが、それも日本化成の従業員のものだった…。非情な企業論理を告発する医師の執念を描く長編社会派ミステリー。
定価:860円(税込) ISBN 4-903012-82-4
白き高峰の殺意
観光旅館の経営者、掘田英作が信州上山田の上流にある砂防ダムに堕ちて死んでいた。家人の話によると堀田は山小屋の用地の下見に出かけたという。このニュースを聞いた銀行員の緒方は、融資先で友人でもある二宮豪造のことを思い浮かべた。それというのも堀田が計画していた山小屋が建つと、二宮の樽ヶ岩山荘の経営が成り立たなくなる危惧があったからだ。それは堀田への殺意に繋がるかもしれない。緒方はその推測を打ち消す思いで二宮のアリバイを調べることにした……「裂けた風雪」等六編を収録した山岳推理傑作集。
定価:860円(税込) ISBN 4-903012-52-2
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